2016,07,12, Tuesday
浅田飴のおじさん
僕にとっての最初の永六輔さんは、「浅田飴のおじさん」だった。
独特の喋り方で浅田飴のテレビCMをしていたのをよく覚えている。 その方が「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」の作詞者と知ったのは、だいぶ経ってからのことだ。 どちらの曲も日本を代表する不朽の名曲と言っていいと思うが、どっちにも共通しているのは、「上を見る」こと。 「上を見る」、もちろんそこには「くよくよしてばかりじゃいけないよ」というメッセージがあるわけだが、それ以外に「目先のことにとらわれすぎるな」「ちょっと先のところまで見て考えろ」ということも入っているのではなかろうか。 永さんはラジオを「想像力のメディア」だと話している。テレビはむしろ「想像力を蝕む」と。音と言葉しかないラジオの世界では、聞き手がいろいろな絵を頭の中で作る。別の有名DJも「ラジオは聞き手の頭の中に劇場を作る」と何かで語っているのを読んだことがある。 話は戻るが、音楽も想像力を誘引する。 曲を聴いて、歌詞を聴いて、様々な概念のスイッチを押される。そうして今日まで沢山の名曲が人々の記憶に刻まれてきたはずだ。「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」に、多くの方がきっとスイッチを押されたのだ。 永さんの訃報を知ったのはスマホのニュースサイトだった。 今はスマホ、ネットで瞬く間に情報が入るし、動画も見ることができる。手に入れることがeasyになっている。それが無かった時代で育った僕らはその便利さと昔を比較できる。そして同時に「思考力・記憶力が鈍くなったなぁ…。」などと、それを年齢のせいにして笑い話のタネにしてしまう。 さらに若い人に「最近の子はピッピッて簡単にスマホでいろんなことすませちゃって、コミュニケーションとか薄いよなぁ」などとエラぶってみたりもする。 ・“便利さ”に弄ばれていないか? ・若者にいい背中を見せられているか? ・目先のことだけで物事を判断していないか? 僕は歌も歌うしラジオDJもやれている。 永さんが残していったテーマを肝に銘じていかなくてはならないと改めて思った。 永六輔さん、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。 そして素敵な言葉たちをありがとうございました。 |
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